《こっそりと、(最後の)FASHION話》
9月の頭、自由が丘の学園通り沿いにスーツ専門店『P.S.FA』(はるやま商事運営)がオープンしたとのこと。
自由が丘を意識して、既存店と比べて、自由が丘らしくレディス向けアイテムにも力を入れ、女性客の集客も見込んでいるようだ。
『P.S.FA』は、数年前に吉祥寺へジャズ・ライヴを聴きに行った際、開演まで時間があったので駅近くの同店へ初めて入ったのだが、私の好きなファッション・アイテム(小物)が充実していて、嬉しくなってしまい、セットアップとしても使えるポケットチーフとアスコットタイを各々購入した。
共にシルク100%の日本製。共にリバーシブルで使え、表がシルバーの華やかなダイヤモンド調、裏が明るいグレーの単色。
このポケットチーフは折り畳んで使うのは野暮。勿体ない。
チーフにはリングが付いているので、一度型を作り、リングで固定させてジャケットの胸ポケットに収めると型崩れすることもない。
片側はふわっとした感じのパフド・スタイル(アイビー・フォルド)となり、反対側は薔薇の開花状態になる。
日中は控え目なパフド・スタイルにし、夜になって、ワイン・グラス片手にジャズ・ライヴなんて時は逆さにして、文字通りの華やかヴァージョンに、という楽しみ方も難無く自然に(ポケットの中で花びらが平たくなるので多少修正が必要だが)。
2枚目の写真は、その薔薇の開花状態。
リバーシブルなので4パターンが楽しめることになる。
[因みに、写真の、ジャケットの中のシャツも『P.S.FA』吉祥寺店で購入したもの。元々は、レギュラー・カラー。何度か着る内に衿廻りの汚れが落ち難くなると、迷わずに折り返し部分を鋏でカットしてしまう。たちまち、私が10代から愛用のスタンド・カラー・シャツに変身。勿論、細かな糸屑やほつれが出るので、そのまま着用はしない。洗濯の後に細かな糸屑を鋏でカットしていく。これを何度か繰り返すと糸屑が飛び出すことはなくなり、安定。通常のスタンド・カラー・シャツと何ら変わらない。我が家にはこのパターンの自家製スタンド・カラー・シャツが何着あることか。]
単色グレーの側は実に落ち着いた趣きとなるので、私は(アソビが許されそうな)準フォーマルの場にこのポケットチーフ&アスコットタイのセットアップで出席したことが何度かある。
このポケットチーフとアスコットタイは各々の単独着用も含め、本当に重宝している。
秋冬のコーディネートの幅が明らかに拡がった。
ネクタイは、男性のファッション・アイテムの中で最も女性からのプレゼントとしていただくことが多いかと思う。私も、学生時代を含め、何度かある。
が、ウィークデイ全てにネクタイを着用することもない私の場合、ネクタイは今あるものだけでも充分一生分ある。
それに、ネクタイって意外と好き嫌いがあるもので、私の場合は一時非常に流行ったペイズリー柄はあまり好きではない。プレゼントにいただいた1本のみ(それは気に入っていて、一年に何度か着用しているが)。
それに、ネクタイって、シャツやジャケットとの相性が(女性の思う以上に)あるものだ。シャツは増やせるが、スーツの場合は気軽にという訳にもいかない。自分の所有しているアイテムとの組合せを頭に思い描きながらの本人購入が実はベターなような気がする(勿論、思い切った「冒険」もファッション・センスを磨くにはには必要なのだが)。
私の場合、女性からいただいて嬉しいファッション・アイテム(小物)は、ポケットチーフとアスコットタイとサスペンダー。
まず、サスペンダーから思い入れを述べたい。
スタンド・カラー・シャツ同様に学生時代から好んで身につけていた。
サスペンダー(吊りバンド)というと、腰周り緩めなダボッとしたトラウザーズ(パンツ)を多くの方は連想すると思うが、若い時分にスリムだった私はタイトなパンツにもサスペンダーを良く合わせていた。役者時代を顧みても、(一人芝居等の)自前衣装の場合、サスペンダー(&スタンド・カラー・シャツ)とスリムなパンツの組合せが何と多かったことか。
一時期、サスペンダーは10本近く持っていたことがある。クラシカルな黒のもの以外はカジュアルな着こなしの為の安物だったけれども、その中のひとつが、グレー地に黒のドットが入った仕様でとても気に入っていた。20代後半、メディアの仕事も多くなり、華やかな場にも顔を出す機会が増えたので、各々、黒地に白いドット柄のボウタイとカマーバンドをセットアップで購入したのだが、これに度々合わせていたのが件のアソビ心あるサスペンダーだった。
個性的なノー・カラーのジャケットにシルクの単色のスカーフを首にグルッと一巻きし、その両端の余りをカマーバンドの中に収める。ボタンを閉めたノー・カラーのジャケットのラインと並行するスカーフ。些か暑苦しくなったり、興が乗り出して踊る場合等に、ジャケットのボタンを外すと同時に、スカーフも外す。
すると、漸く出現する件のアソビ心あるサスペンダー。そのチラ見せ加減が好きだった。
ゴム状の割に結構長持ちしたが、新世紀に入って暫くした頃、限界を向かえ、お役御免となった。
そんな風にして、1本1本とお別れし、今は、数年に一度しか身につけないような純フォーマル用(ボタン留めクラシック・タイプ)の黒と、ヴェスト着用の時に下に合わせているお手軽価格の黒のニ点のみ。後者は、サスペンダーの幅がやや太めなので、ヴェスト姿が多い身としては好みのやや細身タイプも欲しいところなのだ。
ところが、大人の男のアソビ心を擽るようなサスペンダーって、なかなか見ないんだよなぁ(高級店でそれなりの値を出せばあるのだろうが)。
サスペンダーって、ベルトと違って、絶えず身につけていることを意識しているところが好きだったりする。歩行時も着席時も背筋がピンと張る。クラシカルな男の気分に一日中浸れる、女にはわかるまい、男の見えないお洒落(「精神性」と言うべきか)。
次に、アスコットタイ。
これは、中年の域に入ってから初めて購入して身につけたのだが、たちまちヤミツキになり、数も少しずつ増やしていった。
ネクタイを結ぶのとは、「お洒落感」も「精神性」も全く異なる。
私の場合、ネクタイと違い、シャツを羽織る前に結ぶことが殆どなので、儀式の第一歩の感。
上手く結べて、選んだシャツを羽織った時にVゾーンがキマッた時の嬉しさは格別の感。
ネクタイ×シャツよりもコーディネートする感覚が楽しいことこの上ない。ヴァリエーションが実に豊か(私の場合は、通常カラーだけでなく、スタンド・カラーにもアスコットタイを合わせるので尚更)。
残念なのは、ネクタイよりも遥かに需要が低く、「特別」の感がある為、ネクタイのようにはまだまだ気軽に購入出来ないこと。
毎期(秋~冬)に一枚の感覚で増やしている。
ポケットチーフは、何枚でも持っていたい。
私の場合は、ジャケット・スタイルの際、ポケットチーフからコーディネートを組み立てていく場合も時にある程。
あればある程楽しい。
前述のリング付きリバーシブル仕様のシルクの一品はやや値が張ることになるが、スタンダードな布一枚仕様は言わばハンカチーフを小ぶりにしたようなもの。ハンカチ感覚で選べて購入出来る。
女性の皆さん、私に「(ファッション・アイテムの)ちょっとしたプレゼント」をお考えの際は是非、ポケットチーフを第一候補に。
娘から父親へのちょっとしたプレゼントに、ちょっと洒落たポケットチーフという選択は如何だろう。
自分の父親のダンディさがグレードアップすること間違いなし。
レストランで向かい合わせに腰掛けた時には(双方共)思わずニヤニヤすること必至。
さて、3枚目の写真は、今夏の私のコーディネートの一例。
靴(スリッポン)も含め、ブルーが貴重。このスタンド・カラー・シャツは麻素材で肌触りもトーンまここ数年のお気に入りの一枚なのだが、ジャケット・スタイルの場合、ポケットチーフはこの一枚を選ぶパターンが多い。
実は、染色の和風柄。元々はハンカチなのだろうが、一度でも、濡れた手を拭いてしまうと以降は皺くちゃになってしまうので、手拭きとして用いることはなくなってしまった。
多少大ぶりではあるが、このようにザックリと胸ポケットに入れて、ピークを数本出す(立てる)という使い方をしている。
この夏、向かい合わせになる女性達に最も評判が良かった一枚。
実はコレ、明るい色調のサマー・ジャケットだけでなく、ダーク・ジャケットにも相性が良い。
表と裏の色合い(濃淡)が微妙に異なるので、リバーシブルで使ってもいる。
今年の秋冬も重宝するはず。
終わり間近にして、いきなり(フェイント気味)の、このお気楽なファッション考。
まぁ、私(のブログ)らしいといえば、らしいかな…。
他意も深意もありません。
《9月のプレイバック》
☆『自由ヶ丘 直出しワインセラー事業部』に入部[2010年9月10日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10290827c.html
☆【番外編】LOOKING UP/残されし恋には[2010年9月16日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10293309c.html
☆精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる[2009年9月18日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10139503c.html
☆日暮の門の如く暮らしたい(「暗し」でもなく、「昏し」でもなく、「冥し」でもなく)[2010年9月22日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10295810c.html
☆街角のシャンソニエ~自由が丘人巴里子さんの最新作~[2009年9月23日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10141268c.html
☆遠くの居、身近な居[2009年9月26日]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10142283c.html
☆IT NEVER ENTERED MY MIND[2010年9月28日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10298177c.html
《2月のプレイバック》
☆芸術鑑賞とワインとBAR(のハシゴ)の夕べ[2010年2月1日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10192244c.html
☆THIS REVERSAL OF ROLES[2011年2月17日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10367317c.html
☆文学の中の自由が丘[2011年2月18日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10367512c.html
☆サンセットアレイの妖精、より高みへ[2009年2月20日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10072973c.html
☆TO TINCABEL WITH LOVE[2009年2月22日付]
http://jiyugaoka.areablog.jp/blog/1000001060/p10073561c.html
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